最終更新日 2019年9月2日

  レンガで庭造り

kazutaka nagai



 テーマ  花壇・池などを配置した楽しい庭を自作す る
 特    長

コンクリート・レンガを活用して高低差をつけた立体的な構造

 諸    元

幅:9m 奥行:3m
製作年: 1987年~


 1.プラン


1986年に現在の自宅を建設しました。外構に回す資金がなく、塀は丸太と針金、庭は原野のままで、 必然的にDIYによる庭造りということになりました。参考書は「庭造り小事典」(篠田朗彦著 日本文芸社)です。この本のアドバイスに従い、極力高低差をつけて「立体的」になるように心掛けています。


 2.池造り


画像① 最初に手を付けたのは池造りです。なるべく大きく、 深くというのが目標でしたが、狭い庭なのでおのずと限度があり、現在の大きさに決まりました。正方形の隅を斜めに切ったデザインは、残りの庭が広く使え、今でも気に入っています。
作り方は、上記参考書による「一面ベニヤ」方式です。コンクリートで周りの壁を先に作り、次に底をコンクリートで固めました。一番大変な作業は穴掘りでした。畑
を瓦礫で埋め立てた

造成地なので、大きな石やアスファルトの固まりなどが次々に出土しました。当時小学生だった長男も動員し、限界まで1m30cmほど掘り下げました。今でいう熱中症でしょうか、長男が熱を出して妻にさんざんに怒られました。「一面ベニヤ」方式は、型枠は内側だけ、外側は掘り下げた土の壁をそのまま使う省エネ工法です。素人の悲しさ、一度に作れるコンクリートがバケツ一杯分なので、何日もかけて少しづつ積み上げました。各回のコンクリートの境目から水がもれないか心配でしたが、現在まで問題はありません。 

画像② 溢れ防止用(上)、排水用(下)、ろ過装置給水用(右)パイプです。排水パイプはそばの雨水桝につないでいますが、池の方が深いので、最後の20cm位は排水ができず、水中ポンプの世話になります。(2019.9撮影)

画像③ ろ過した水を池へ戻すパイプです。本体は左手の花壇の地下を通っています。

画像④ 水道水を給水するパイプです。地面の下を外水道のそばまで設置してあり、最後はビニールホースで蛇口につないでいます。(2019.9撮影)


 3.ろ過装置


画像① 池水のろ過と排水用の水中ポンプです。当初は吸い上げポンプを採用しましたが、配管の気密性が悪いのかトラブルが続出し、その後はこれを愛用しています。6,000円の低価格品ですが、揚水性能は抜群で、水質の維持と排水に活躍しています。たまに故障しますが、無償修理サービス(購入から1年)を活用しています。寿命を1年と考えれば、月に500円ですから、十分に元が取れています。現在のポンプは3代目ですが、既に2年近く稼働しています。

画像② 自作したろ過装置です。本体(赤)は食器水切りかごのお下がりで、底に2つ穴を開け、1つは池につながる給水用、もう1つは清掃時の排水用で、日ごろは風呂用ゴム栓で閉じています。

内かご(白)は二重構造で、下段にはアンモニアを吸収するという砂利を敷き、上段には徳用ろ過マット(6枚 270円)2枚を二重に敷き詰めています。上部構造は、植木鉢用の台と皿、排水口ネットからなり、いずれも100円ショップで入手しました。排水口ネットは2日で目詰まりするので交換、マットも1週間くらいで交換しています。


 4.花壇造り


画像① 時が流れ、周囲はブロックとアルミフェンスになっています。ブロックから50cmくらいのところをレンガで仕切って、その間を花壇にする計画です。穴を掘り、コンクリートで基礎を作っています。

画像② 当初は、直線部分の両端に簡易な遣り方を立て、ブロックを基準に水盛りで高さを決めていました。最近は手を抜いて、既存のレンガの上面に板を渡し、水準器で高さを決めています。両端のレンガを概ね正しい位置に固定し、糸を張って残りのレンガを真っ直ぐに並べてモルタルで固定します。モルタルが固まってから、間にモルタルの目地を入れています。

画像③ 最後の1個はサイズが合わないので、レンガを切断してはめ込みます。

画像④ かつて植木の根が基礎を持ち上げてしまい、作り直したことがあるので、太い根の周りには空間を作るようにしています。

画像⑤ 曲線部分は、中心点に棒を立て、糸を張ってレンガを円周上に並べます。

画像⑥ 最後の1個(右から2番目)は、やはりサイズが合わず、調整してはめ込みました。

画像⑦ 完成しました。花壇工事は、開始以来遅々として進まず、全周がつながったのはつい最近です。当初は3段積みでしたが、その後は手を抜いて1段で済ませています。



 5.セメント工事の道具と材料


セメント工事の道具です。外側がセメントをこねるタラフネ、中は各種コテと計量で使っている植木鉢です。

主役のポルトランドセメントは大変お安く、25kgで400円ほどです。安いせいか、袋が密封されておらず、すき間から中身が吹き出すので注意が必要です。セメントに湿気は大敵です。かつて使い残したセメントを袋のまま保存していたところ、そのままの形で硬化してしまい、廃棄に苦労したことがあります。そこで、セメントを購入するとすぐに小分けすることにしています。計量用の植木鉢2杯分ずつビニール袋に入れ、さらに大きなビニール袋に入れて保管しています。コンクリートの配合は、セメント1:砂2:砂利3、モルタルは、セメント1:砂3です。ビニール袋1つ分のセメントに、植木鉢4杯分の砂、6杯分の砂利を加えればコンクリートの配合となります。


 5.レンガ工事の道具と使用法


画像① レンガ専用のノコギリ(アマゾン フナソーFunFunノコギリ2 @1,561)、タガネ、ハンマーです。

画像② 使用するレンガの種類です。左から、普通レンガ、はんぺんレンガ、半分レンガです。

基本となる普通レンガのサイズは、21cm x 10cm x 7cmで、はんぺんレンガは厚さが半分です。半分レンガは10cm x10cm x 7cmです。1cmの目地があるのが前提のサイズ体系ですので、目地なしでの組み合わせではかなり制限を受けます。

画像③ レンガの切断は結構大変です。レンガ用ノコギリで四周に切り込みを入れ、タガネで割るのですが、無理をすると想定外のラインで割れてしまいます。地面の上に直接置き、少しづつ何度も叩くのがコツです。切り込み線の要らない側をタガネで削って広げて置くと、縁が欠けずに済みます。最後までノコギリで切れば確実ですが、時間がかかります。

画像④ 無事に割れました。 



 6.レンガ加工の実際


画像① 縁取りレンガのつなぎ目に三角形のすき間が開いています。レンガをピッタリのサイズに切断して、はめ込むことにします。

画像② すき間の形を計測し、CADソフトで描画します。周囲に1cmの間隔を開けて、レンガの形を決定しました。

画像③ 図面を実物大でプリントし、すき間に当てて確認します。良いようです。

画像④ 図面のとおりにレンガに線を引いて、専用ノコギリで切り込みを入れます。

画像⑤ タガネでたたいて切断しました。

画像⑥ すき間に置いてみました。大丈夫です。

画像⑦ モルタルで固定し、目地を入れました。



 7.広場造り


画像① 当初、庭の中央は芝生にし、肥料を与え、定期的に刈り込んで大事にしていました。

しかし、南側に他家が立ち、日当たりが悪くなるとだんだん弱ってきて、最後は枯れてしまい

ました。真夏は太陽高度が高く日照がありますが、春秋の日照不足が影響したようです。芝が

枯れたあとには雑草が生え、草取りが大変でした。

画像② そこで、思い立って中央部分をレンガ敷きにすることにしました。工法は、街の歩道工事で見かけた「砂敷き工法」です。地面をレンガの厚さ+5cmほど掘り下げて踏み固め、砂を敷いた上にレンガを並べてゆくものです。キッチリ並べるので目地はなく、コンクリートやモルタルは使いません。すき間から雨水が排水されます。上に乗ったら簡単に沈みそうですが、これが意外にもしっかりと安定します。

レンガには色々な種類があり、価格もピンキリです。今回は、主にコスト面と入手性からごく普通のレンガ(@90円)を使います。このレンガは、1cmの目地が前提のサイズ(21cm x 10cm x 6cm)ですので、タテヨコ方向に組み合わせて並べることができません。縦1枚と横2枚を組み合わせると、頭が1cm飛び出してしまいます。両端の縁取りのみ縦方向、残りは横一列にして、半分ずらして互い違いに並べることにします。目地がないので作業は楽です。周囲の花壇のレンガはもともと水平をとってあるので、糸を張ってそろえるだけでOKです。

画像③ 大変なのは地面の掘り下げです。たかが10cm程度の深さですが、大量の残土が発生します。東側の軒下を捨て場にしましたが、ウッドデッキが邪魔で直行できません。家の3辺をぐるっとまわって30mくらいを、バケツに土を入れてひたすら往復しました。

画像④ 土運びに飽きて、掘り終えた部分にレンガを並べてみました横一列で12個使います。1列あたり1,000円もかかるので、少しずつ購入することにします(節約にはなりませんが)。

画像⑤ 何とか土運びが終了しました。中ほどの根っこの出ている場所には、厚さが半分のはんぺんレンガを使うことにします。

画像⑥ レンガ並べが本格化しました。土運びに比べれば楽しい作業で、すぐに習熟しました。砂を少し多めに敷いて、レンガを置き、小槌で軽く叩きます。糸で高さを、水平器で傾きを確認し、網戸掃除用の小さなブラシで余分な砂を取り除きます。再びレンガを置き、小槌でたたきます。再調整が必要なこともありますが、かなりの確率で、1発で所定の高さに水平で納まるようになりました。

画像⑦~⑨ 少しづつ進捗しています。偶然ですが、縦に並べたレンガも横に並べたレンガも、予定のスペースにピッタリ納まりました。

画像⑨ とうとうレンガ並べが終了しました。レンガを何枚使ったのかわかりません。怖いので数えないようにしています。 画像⑩ 二階のベランダから見た様子です。




 8.庭園灯


庭園灯を設置するため、レンガを並べる前に配線用のチューブを埋め込んでおきます。

画像① 専用の資材をホームセンターでゲットしました。「スーパーフレキ KFSNー14」という製品で、14mm径10m長で1,500円位でした。これを配線したいルートにあらかじめ埋め込んでおきます。硬めの電線を少しずつ送り込むと、カーブ部分をうまく曲がって出口に到達させることができるようです。

画像② 開口部をビニールテープで塞ぎ、レンガの下の根っこ用のトンネルに通します。

画像③ 配線ルートに仮置きしました。10mでギリギリでした。

画像④ 右側庭園灯の設置場所です。先端の開口部を下に曲げて、雨水が入らないようにしています。

画像⑤ 左側庭園灯の設置場所です。設置するときに中央を切断して、コードを引き出します。ここで配線を分岐させ、右側の庭園灯につなぐ予定です。

画像⑥ 設置が終わりました。この上にレンガを敷くので、チューブは見えなくなります。

画像⑦ 灯具をアマゾンでゲットしました。

画像⑧ コードを延長しました。

画像⑨ チューブにスチールワイヤーをすこしづつ押し込みます。

画像⑩ 設置点に到達したらコードを結びつけ、ワイヤーを引いて引き込みます。

画像⑪ 灯具を設置しました。雨水が入らないように、チューブを下向きにしています。

画像⑫⑬ 無事点灯しました。





 

 

「ウッドデッキ」については、別途項目を設けています。こちらも是非ご覧ください。

          「2x4材でウッドデッキを自作する」