最終更新日 2016年11月19日

手動荷物エレベーター

kazutaka nagai


テーマ  屋根裏部屋に荷物を出し入れする、荷物用エレベータを自作する
 特    長 

滑車とロープを使い、重量物でも簡単に操作。簡易はしごを活用した斜行方式

 諸    元 

全高:71cm 幅:55cm 奥行:46cm 構造:SPF1x4材1x3材

製作年: 2010年


 1.プラン


2008年に屋根裏部屋が完成し、収納力は格段にアップしました。困ったのは、ストーブ・扇風機など重量物の上げ下ろしです。屋根裏部屋には、法規上、固定階段が認められず、折り畳み式の簡易はしごしかありません。思いついたのは、はしご用の開口部から木製の箱をエレベーターのように上下させることです。開口部の上にちょうど梁があり、滑車を取り付けられます。学校で、「動滑車1個で、力は二分の一」と習いました。滑車を2個使っているので、力は四分の一で済んでいると思われます。


 2.設計


問題ははしごです。幅40cm 長さ230cm、開口部の真下にあり、折り畳んでもエレベーターの

邪魔になります。そこで思いついたのが、はしごの両側の柱をレールのように使い、エレベーター本体を斜めに上昇させるというアイデアです。斜行エレベーターまたはケーブルカーのようなものです。

画像① 荷物を積み込むときは、本体をはしごの末端の床面に置きます。ロープを少し引き、

本体下部の両側に取り付けてある戸車をはしごの両側の柱に乗せます。柱の側面を押える戸車もあるので、左右にはずれることはありません。ロープを引くとはしごの中間、開口部の真下まで上昇します。さらにロープを引くと、本体がはしごから離れ、垂直に上昇して屋根裏に到着します。

 画像② 想定される最大の積荷は、ガスストーブなので、これを積み込むことができ、かつ開口部を楽に通過できるサイズということで、右のとおり設計しました。戸車は、25mmフラッターU型という汎用の製品です。戸車の取付は、ほとんど現場合わせです。なお、同じ戸車を開口部の周りに6個取り付け、本体が接触してもスムーズに通過できるようにしています。


 3.構造


画像① エレベーター本体の正面、はしごに接する側です。この空間に荷物を積み込みます。材料はSPFの 1x4 と 1x3 で、木工ボンドとねじで接合しています。強度計算はしていません(できません)。搬送時、荷物を固定はしていませんが、今まで落ちたことはありません。手前に

はしごを滑る戸車が見えます。

 

画像②③ 左右の戸車のアップです。奥が荷重を支える戸車で、はしごの上の面を滑ります。脇にあるのはガイド用の戸車で、はしごの側面をはさみこんで、はしごから外れるのを防ぎます。はしごの設置角度が60°なので、それに合わせて角度をもたせて取り付けています。

画像④ はしごの上部です。屋根裏部屋へつながっています。

画像⑤ はしごの下部と2階の床面です。

画像⑥ 動滑車です。ホームセンターで入手しました。2連なので、引く力は1/4、引く長さは

4倍のはずです。

画像⑦  上部の固定滑車です。屋根裏の梁にロープで縛りつけています。



 4.動作


今回は撮影のため、操作者が下(二階)にいて、ロープを下から引いています。通常は、積み荷を降ろす作業があるので、屋根裏に先に上がり、上からロープを引いています。

 

画像① 戸車を使ってはしごを登り始めました。

 

画像② はしごの中間点、開口部の真下まで来ると、はしごから離れて垂直に上昇します。

 

画像③ 上(屋根裏)から見た様子です。上昇時に本体が多少左右に回転しますが、片手で押さえ、片手でロープを引いて誘導します。本体の上部が開口部に入れば、開口部の内側に付けた

エンビ板と戸車がガイドとなり、滑らかに上昇します。

 

画像④ 本体の底面が屋根裏の床面より高くなったら、下部に2枚の板をかませ、ロープを緩め、この上に着地させます。安定しているので荷物の積み下ろしは簡単です。ちなみに、使用しないときはこの態勢で収容しています。はしごは折りたたまれて、本体の下の空間に収納されます。


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