最終更新日 2020年7月12日
8.壁面パントリー(食品庫)
kazutaka nagai
<<各画像をクリックすると大きな画像が開きます>>
テーマ | 狭くて家具が置けないキッチンの壁面に、超薄型の食品棚を自作する |
特 長 |
SPF1x4材をフル活用し経費格安、1x3材と1x2材を組合せて多彩な棚幅を実現、壁面への取付法はオリジナル |
諸 元 |
全高:161cm 幅:90cm 奥行:18cm 構造:SPF1x4材1x3材 1x2材 製作年: 2014年 |
1.プラン
キッチンに缶詰・瓶詰めなど保存食品があふれかえっていたので、壁面を利用した収納を検討。通路が狭く、収容物も小さいので、奥行をごく浅くし、棚の高さも収納物を実測してなるべくあわせることとしました。1段目はペットボトル等大物用、2・3段目は調味料等小物用で、高さ・奥行とも小さくしました。キッチンの壁はよくある石膏ボードに壁紙を貼ったものです。壁裏の柱の位置を確認するのが難しく、長年手をつけずにいましたが、アマゾンで見つけた「シンワ下地センサー」(@1,458円)という新兵器を使って、実行に移しました。
「パントリー」とは:リショップナビ https://rehome-navi.com/articles/235
2.設計
素材はSPFの1x4が中心です。1x3、1x2、1x1を組み合わせて作れる幅に留意して設計を行いました。例えば、1x4+1x4=17.8cm→1段目棚板、1x4=8.9cm→2・3段目、1x4+1x2=12.7cm→4・5・7段目および側板、1x4+1x3=15.3cm→6段目および天井板などです。
3.構造
全体の構造は、天板と底板、2枚の側板による箱型で、棚板も含め木工用接着剤と木ネジで固定してあります。重要なのは壁面へどう取り付けるかです。まず壁面に1x3材を縦に2本、長い木ネジでしっかり固定します。ネジの位置は下地センサーで確認した壁裏の柱の位置です。1x3材の上端は、天板をキッチンの天井に密着させたときに6段目棚板の下面が収まる位置です。できあがった棚は、1x3材2本の上端で6段目棚板の下面を支える形となります。6段目棚板には棚全体の重量がかかるので、補強材を使って側板にしっかり固定してあります。さらに1段目の下面に金属製の「棚受け」というL字型の金具を取り付け、1x3材に固定してあります。1~5段目の棚板は、背後に1x3材が通るので1.9cm前進した形で側板に固定します。1~5段目は背後の構造物が見えないよう化粧ベニヤをはめこんであります。6~7段目は従来の壁紙がそのまま見えます。
4.塗装
SPF材は油分が多いため、塗料が染み込みにくくニスを塗ってもきれいに仕上がりません。過去何回か挑戦しては失敗しましたので、木目を見せることは諦めペイントを使うこととしています。今回はチョコレートブラックの水性ペイントで仕上げました。
最終更新日 2016年11月16日
壁面食品収納棚 第2号
<<各画像をクリックすると大きな画像が開きます>>
1.プラン
1号機が手狭になってきたので、右隣の同じ幅のスペースに食品棚をもうひとつ設置しました。 基本的な構造は1号と同じで、SPFを駆使してシンプルかつ格安です。 直下が野菜ワゴンの置き場になっているので、1号の2段目から上の大きさとしました。 大物(清酒3Lパックなど)を収容できるよう、各棚の高さを増やして3段構造としました。 ヤカンやフードプロセッサーなども置きたいので、棚幅を広げました。1号製作時の画像が少なかったので、今回はマメに記録を残すようにします。
2.設計
素材はホームセンターで気軽に入手できるSPF材です。1x4、1x3、1x2の組み合わせで
作れる幅を意識して設計しました。3枚の棚板は、1x4+1x4=17.8cm、天板は、
1x4+1x3=15.3cm、側板は、1x4+1x2=12.7cmとしています。
ちなみに 、1x4の2枚分の 1x8という商品もありますが、1x4が1枚160円(180cm)
なのに1x8は950円もします。なにしろ1x4が安いので、メインの材料として活用しています。
3.構造
全体の構造は、1号と同じく、天板と底板および側板による箱型ですが、左側の側板は1号と共用としています。各部品は木工用接着剤と木ネジで固定しています。壁面への取付方法は1号と同様で、壁に縦方向2本の板材(1x3)を取り付け、これに本体を引っ掛けるようにして固定しています。今回は棚幅が広いので、3段とも下面に金属製の「棚受け」というL字型の金具を使用し、1x3材にしっかり固定しています。
画像① シンワの下地センサーで壁裏の横方向の柱を探っています。センサーをONし、上から下へゆっくり滑らせると、柱がある場所でブザーが鳴り、赤い矢印が投影されます。ここが柱の上側の縁なので壁に印を付けます。次にセンサーを下から上へ滑らせ、ブザーが鳴った場所が柱の下の縁なので印を付けます。二つの印の間が柱ということになります。前回の経験で、この壁は横方向の柱ばかりで縦の柱がないことがわかっています。
画像② たまたまこの壁の裏側を工事したときの画像です。石膏ボードに密着しているのは横方向の柱ばかりです。縦の柱は壁から浮いているので、ネジが使えません。
4.製作
SPF材を設計図どおりに切断し、木工ボンドとネジで接合します。床上ですべてを組み上げ、
一気に壁面に取り付けるので、寸法と組み立ての正確性が重要です。
画像① 今回初めて板同士の平面接合に木ダボを使いました(8x30mm 12本100円)。ダボの使用と使い方はニトリの組立家具で覚えました。
画像② 接着した後は万力で締め付けて、半日放置してできあがりです。
画像③ 必要な部品がすべて完成したので、サイズの確認を兼ねて並べてみました。
画像④ 組み立てにおいては、最初の接合(天板と側板)が大変です。あらかじめネジ穴を開け、接着箇所に木工ボンドを塗っておきます。ネジ穴は、締め付け力を確保するため、貫通穴としています。側板を垂直に立て、反対側にある本棚を利用して天板を渡し、天板が水平になるように木端を挟んで調整します。慎重に位置決めをしてネジを締めます。今回この場面で新兵器を使いました。
画像⑤ 2枚目以降の接合は比較的楽です。天板を垂直に立て、側板を手で支えて棚板を挟めば平らな箱型になるので、位置決めをしてネジを締めます。ネジは3本のうち両側の2本だけを仮締めし、完成後に残りのネジとともに本締めします。
画像⑥ 組み立てが終わりました。手前に2本立っているのが、壁面と本体をつなぐ取付板です。
画像⑦ ウッドデッキに持ち出し、塗装しました。塗料は1号と同じチョコレートブラックの
水性ペイントです。
5.取り付け
画像① 最初に2枚の取付板を壁面に固定します。取付板の上端から天井までの寸法が重要です。多すぎれば天井との間に隙間ができますし、少なければ入りません。本体3段目の下面(ここを取付板に乗せる)から天板上面(天井に接触する)までの寸法を実測し、ミリ単位で正確に取り付けます。ネジは45mmコーススレッド8本ですが、最初に数本で仮に固定し、寸法を確認してから残りのネジを固定するのがお勧めです。
画像② 取付板の上端です。この上に本体三段目の棚板を引っ掛けます。
画像③ 本体をそばまで運び、取付の準備ができました。
画像④ 取付板の上に本体が乗りました。サイズはピッタリです。まだ引っ掛けただけで何も固定していません。三段目の棚の上から取付板の上端に向けて、細めの木ネジをねじ込みました。
画像⑤ 各棚の背後には化粧ベニヤをはめ込みます。これで取付板その他の楽屋が見えなくなります。
画像⑥ ベニヤの上から棚受けを取り付けました。棚受けは荷重を受けると下方向に少し下がるので、製品は直角より少し上向きにできています。腕の先端ではなく、付け根に近い部分で取付穴までの寸法を測り、ネジの位置を決めています。
画像⑦ 完成しました。